公開日:2008/01/22

メガネにおけるプリズムって何?その2

今日も昨日に引き続いて「プリズム」のお話。

 

「右目の光の入射角度が少しずれているので、長時間の使用は疲れがでると説明されました。プリズムを入れると矯正されると言われました。」
について

 

この光の入射角度がずれているとはどのようなことなのでしょうか?
通常人間は両目で物を見ています。この時、目的の物体の像は右目と左目別々に網膜に写っています。でも、頭の中ではきちんと1つの像として認識しています。

つまり、両眼を一緒に働かせて同一の物を見ることが出来る機能。これを両眼視と言います。

 

そして、この両眼視が出来ることによって立体視(遠近感)を得ることが出来ています。

ちょっと話が遠くなった感じがしますが、
下の図を見てください

HI3A0188.JPG

普段は両目ともにまっすぐ正面を向いていますが、片眼を隠した時その隠された眼が実は外側を向いていたり、内側を向いていたりということがあります。
このような眼が「斜位」です。(「斜視」とは違います)

普段は両目でしっかりと見ており、両眼視もしっかり出来ていますが、本来は眼の方向が違うわけで、眼の筋肉ががんばって通常の眼の位置にあわせているというわけです。

ちなみに「斜視」は片眼を隠した時ではなく、常時眼の位置がずれている状態のことです。
つまり、両眼視がつらい、もしくは正しく出来ていないと言うところが「斜位」と全く違う性質です。

「右目の光の入射角度がずれているので」というのは、眼の筋肉が正しい眼位を保つように、常に働いており、その為長時間使用すると眼が疲れるということだと思います。

 

ここで、「プリズム」の登場
昨日お話したプリズムは入ってきた光を基底の方向(厚い方)に曲げる性質なので、眼の本来向いている眼位にあわせてセッティングします。

HI3A0189.JPG

このように、本来の眼の方向にあわせてプリズムレンズを入れると、必要以上に眼に負担を掛けず、眼の疲労が軽減されるというわけです。

 

長くなりましたが、以上が
「先日、視力の検査をお願いしたら、日常使いの眼鏡としては、矯正視力は申し分ないといわれました。
でも、現在使用のレンズ、右目の光の入射角度が少しずれているので、長時間の使用は疲れがでると説明されました。
プリズムを入れると矯正されると言われました。
プリズムってなんですか?」
の答えです。

 

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